現代社会において徐々に睡眠の重要性に対する理解が進んできていますが、睡眠についてはまだまだわからないことが多くあります。
たとえば、睡眠時無呼吸は、非常に頻度が多く、また眠気などの症状や、いろいろな合併症の要因となることが分かっています。しかし、その治療としては、今までは、持続陽圧呼吸(CPAP)や口腔内装置などが、その重症度で選択されるのみで、大規模研究においては予後の改善や合併症の予防に十分な有効性を示せていません。それは、睡眠時無呼吸は単一なものでなく、ヘテロなものの集合体であり、画一的な治療法では十分でないことを暗示しています。つまり、個々の病態・症状や所見を考えての治療選択・方法が必要であり、臨床レベルでの普及が求められています。
私たちは、井上雄一先生とともに、臨床面からいろいろな睡眠障害についての研究・診療を通じて、睡眠についての謎や本質を探究していきます。そしてその知識をより多くの医療関係者や患者、一般の方々に広め、共有することで社会に役立てていければと思っております。
東京医科大学睡眠学講座
教授 中山秀章
教授 中山 秀章 Profile
- 1990年
- 新潟大学医学部卒業
- 1998年
- 医学博士
- 1999~2001年
- 米国ウスコンシン州立大学留学
- 2006年
- 新潟大学医歯学総合病院第二内科助手
- 2010年
- 同講師
- 2013年
- 東京医科大学病院呼吸器内科 准教授
- 2019年
- 同睡眠学講座 教授
- 理事:
- 日本睡眠学会
- 評議員:
- 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会